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坊ちゃん発見!!

 

朝のホーム。通勤ラッシュで人が溢れる中、偶然にもギルベルトはローデリヒを見つけた。
さりげなく近づき電車に乗った時には壁際のローデリヒに接近することに成功した。

しかも満員電車のため予想以上に密着している。

「!?ギルベルト?」

目の前にいつも自分に対して嫌がらせをしてくる相手がいることに、驚いている様子だ。ケセセ。
本音はというと、本当は優しくしたいのに、どうしても上手くいかないのが現状。

「よぉ、坊ちゃん」

そして澄まして答えたものの、内心ではかなりドキドキしていた。近ぇ、近ぇよ!!うわっまつ毛長っっ!
綺麗な肌だな、真っ白だし。

その時電車が大きく揺れた。

「!?」

拍子にローデリヒがギルベルトの腕の中に納まった。
勿論ギルベルトも同じ方向に倒れそうになったのだが、咄嗟に左手でローデリヒを抱きしめ右手で手すりを掴んだ為、それ以上体が傾くことは無かった。

だ、抱きしめちまった!!

体制を立て直すと、腕の中から愛しい人が起き上がる。
温もりが少しづつ離れていくのがこんなにも惜しいなんて。
そんなギルベルトをローデリヒが見つめた。可憐な薔薇のような唇を薄く開き何かを語ろうとしたその時、
先ほど傾いた箱の均等をとるかのように先ほどの揺れとは反対側に電車が傾いた。

―――チュッ

何も考えられなかった。先に正気に戻ったローデリヒが素早く離れた。次の瞬間いつのまに着いたのかドアが開き、ローデリヒは人の流れに押されるようにしてホームへと出て行ってしまう。

キス…しちまった

ぼんやりとホームに降り立ったローデリヒの後ろ姿を眺める。自分に残されたのは柔らかな唇の感触だけだった。その余韻に浸る暇もなく、自分と同じく未だ状況が整理できていないらしい坊ちゃんに、フランシスが近づいて挨拶と称したキスをかすめ取るのが目に映った。

ちょっと待てこらぁぁぁぁ!!

一瞬フランシスの視線と目が合う、すぐにローデリヒから離れてギルベルトにウインク。

あいつ…!確信犯かよ!!

ようやく正気に戻ったギルベルトが慌てて降りようとした時、電車は無情にもギルベルトを確保し次の目的地を目指すのだった。


発想が変態。この日一日ギルはそのことばかり考えているはず。

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