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こちらはA☆P☆H/ヘ*タ*リ*アの個人的サイトのtextページです。 女性向(BL)等苦手な方は今すぐお引き取りください。
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坊ちゃんが子猫になった。
何でこうなったのか、どうして猫なのか聞きたいことは山ほどあるが原因は判りそうにない。
どうして判りそうにないかというと、子猫の坊ちゃんはどうやら言葉を話せないらしいからだ。
この様子だと俺の言葉も判っているのかどうか怪しい。

今朝まで坊ちゃんは確かにいつも通りだった。
俺は朝から透かした御貴族様の顔を見て今日はどうやって困らせてやろうかと考えたものだ。
それがどうだ、この有様は。
朝から面白くもない会議に出て、家に帰ってきた俺は門をくぐったところで犬達が中庭にある、家の屋根程もある木に集まっているのを不思議に思った。近づいて木を見上げてみると。。。
頭上には猫の耳とシッポを持つ小さな坊ちゃんが震えながら木にしがみついていたというわけだ。
しかも犬達を遠ざけて助けてやったからか、懐かれちまった。
未だこの俺がローデリヒに懐かれているということにどうも実感を持てない。
何故ならば俺はローデリヒが嫌いだ。昔から気に入らなかったし、今も気に入らないと思っている。
なのに何でだ。・・・子猫になった坊ちゃんはめちゃくちゃかわいい。
本当に本人なのか信じられずローデリヒと名前を呼んでみると、どうやら自分の名前はわかるらしく。
にゃぁ。
という返事が返ってきた。
つまりこの子猫は間違いなくローデリヒだということだ。

半信半疑で家の中を捜索してみるも、予想通り部屋の中にローデリヒの姿はない。
すると先ほど子猫のローデリヒを置いてきた場所からドカン!ガラガラといういつもの爆発音とは異なった大音量が響いた。
「なんだぁ!?」
急いでリビングに向かうとそこにローデリヒの姿はなく、
その音が隣のキッチンから発せられたことが判った。
覗いてみると少し高めの位置にヴェストが置いていた筈の大量のジャガイモが、今は無惨に床に転がっている。そして座り込んだ状態でペタリと猫耳を下げて頭を抱えているローデリヒが目に入る。まさか・・・
座り込んだローデリヒの頭を撫でてみるとフカフカとした感触の他に僅かではあるがタンコブができあがっているのがわかる。どうやらジャガイモの入った袋に飛びついた拍子に上から降られたらしい。
ジャガイモの中からローデリヒを抱き上げるとギュッと抱きついてくる。
やべぇ・・・かわいい。
撫でてやるとゴロゴロと喉をならす。
普段の坊ちゃんもこの位素直なら可愛げもあるというものだが。。。と考えてハッと我に返る。
何考えてんだ俺。
腕の中のローデリヒも心配そうに俺の顔をのぞき込んでいる。
その近さに思わず目を反らし。
グゥー。
ちょうどその時、俺腹が空腹を訴える。
腹減ったな。
「お前も腹減ってたのか?」
ローデリヒを降ろし冷蔵庫の中を覗く。中にフライパン女が持ってきたグーラッシュを見つける。他にも子猫になる前のローデリヒが作っていたらしいクラウン型をしたパンに今朝買ってきたらしいヴァイスウルスト。付け合わせのジャガイモ。デザートにクリームシュニッテ、これもローデリヒが作ったものだろう。
遅めの昼食には十分だ。料理を温めてテーブルに用意し、足下でちょこちょこしているローデリヒを椅子に座らせる。
「こぼすなよ。」
言ってるそばからローデリヒがグーラッシュの入ったスープ皿をひっくり返しそうになり慌てて止める。
「危ねぇ。」
仕方なくスプーンを取り上げ、冷まして口元に運んでやる。ローデリヒは大人しくスープを飲む。
これがいつものローデリヒならあり得ない状況だ。無意識に普段のローデリヒの口元にスプーンを運ぶ姿を想像しカッと熱が上がる。
どうしちまったんだ俺。


他の全ての料理も食べさせ、お腹がいっぱいになったらしくローデリヒは俺の膝を枕にして小さく丸まったまま、ソファですやすやと眠っている。
こうしている時にも普段のローデリヒと比較してしまい、違和感は感じるものの嫌悪感は全く無く、むしろ愉悦感を得ているのが不思議だ。すやすやと眠るローデリヒの頬を起こさないように撫でる。
RRRRRR
穏やかな時を邪魔するかの如く携帯の着信が鳴る。ローデリヒを起こさないようにそっと携帯を取り出し通話ボタンを押す。
「ギルちゃん☆約束を忘れるなんてお兄さん泣いちゃう。」
「?」
受話器越しに聞こえてきた声はフランシス。
「ギルちゃん約束は守らなあかんで~」
そしてアントーニョの声だ。
気持ち悪い電話にうんざりしつつ、今の電話で今日の約束を忘れていたことに気付く。
「悪い、今日行けねぇわ。」
ローデリヒがこんな状態で、他に頼る者が居ない時に2人と飲みに行くわけにはいかず、悪いと思いながらも断りをいれる。
ピンポーン。
そこに丁度来客を告げるベルが鳴った。
ローデリヒの頭をゆっくり動かしてクッションに移動させる。
そのまま玄関に向かいドアを開けるとそこには。
今まさに電話で話しているフランシスとアントーニョの姿。
「は~い☆お兄さんの登場だよ。」
ウィンク。
「親分もおるで~。」
フソソソソソソ☆☆☆
その鬱陶しい挨拶を確認すると同時に急いでドアを閉める。
しかしそれより素早く2人はドアを押さえ、無理矢理中へと押し入ってきた。
「閉めちゃうなんて酷いじゃない。」
「そうやで、ギルが来られへん言うからシェリーとイベリコ持ってきたんやで。」
どうやら俺が来ないと見越した2人が、こちらに来たらしい。
「そうか悪かったな。」
どうやらここで飲むことになりそうだ。しかしリビングには子猫のローデリヒが居る。こいつらに知れると厄介なことになりそうだと直感が訴える。
勝手知ったる何とやらで、2人は真っ直ぐリビングに向かって歩く。このまま2人をローデリヒに会わせるわけにはいかない。それには先ずここで止めなければならない。
「ちょっと待ってくれ。」
「何や何や~。」
いつも止めたことが無いのでアントーニョは素直に止まる。フランシスは俺の慌てた様子を見てはは~ん。と目を細める。
「兄さんにも見せれない程のものって何かな~。」
「はぁ!?」
そしてフランシスは素早くリビングへと動く。止めようと伸ばした手はヒラリと交わされる。
フランシスが部屋へと到着する前にリビングのドアが開いた。玄関が騒がしくて起きたらしい子猫のローデリヒがこちらを覗く。
「ふああああああぁぁぁ。」
押さえていたアントーニョの声に耳が痛い。
「かわえぇぇぇ。」
その声にびっくりしたらしいローデリヒはビクリと体を震わせて逃げてしまう。
アントーニョは喜々としてローデリヒを追いかけに行ってしまう。こういった時のアントーニョは素早くて誰かに止められた試しがない。
逆にフランシスは制止する。
俺はアントーニョを止めるべくリビングへと直行した。
丁度ローデリヒが行き止まりに追い込まれた所で逃げ場をなくして小さくなって震えている。ペタリと下がった耳が憐憫を誘う。
「怖くないで~。」
慌てて近付き、アントーニョを退かせてローデリヒを抱き上げる。やはり怖かったらしく抱き上げるとローデリヒはギュッと抱きついてきた。
「ギルちゃんずるいわ~。」
そう言って無理にでもローデリヒを撫でる。
そこに置いてきたフランシスが現れた。
「その子もしかして、ローデリヒ?」
「まぁな。」
こいつ等には見せたくなかったが、こうなった以上仕方が無い。歯切れ悪く答える。
「ふ~ん。」
「子猫ちゃん、チョコたべる?」
どこから取り出したのかその手元にはチョコレートが握られている。
「ただのチョコレートだろーな?」
「当たり前でしょ。」
フランシスの手からローデリヒに食べ物を与えられることに不満を覚えながらも、食べてもいいぞと言ってやると、ローデリヒは理解したのかフランシスの手にあるチョコレートをペロペロと舐める。
フランシスの満足そうな顔が無性にかんに障る。
「かわえぇなぁ~。ギルちゃん連れて帰ってもええ?」
そこで俺の中の何かがプツリと音を立てて切れた。
「やっぱ駄目だ!!」
そう言うと俺はローデリヒを抱き締めたまま部屋を飛び出す。
「こいつに触っていいのは俺様だけだ!」
続いて2人も俺の後を追ってくる。
子猫のローデリヒを守るのは大変そうだ。


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