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ルートヴィッヒとギルベルトは本当に仲がいい。 それは元から十分判っていた。 そのつもりだったのに。 「ふぅ。」 2人の服を眺めながら無意識にため息がでる。 目の前には似たような服が並んでいる。まるで二人で揃えたかのような服ばかり 。 そして私はそのことを羨ましいく感じているのだ。 自分はルートヴィヒッにとって一番身近な存在でありたいと想っているのに、ま るでそれをあざ笑われているかのような錯覚を覚える。 昨日なんて2人でお揃いのタンクトップを着て一緒に体を鍛えていた。その光景 にまるで自分1人だけが取り残されたような気がして何だか居たたまれなくなっ てしまったのだ。 一人ポコポコと取り込んだ洗濯物を畳んでいると偶然にも昨日ルートヴィヒが着 ていた黒のタンクトップが最後に手元に残った。 2人は昨日自分にはこなせないようなメニューを談笑しながら軽くこなしていた 。その姿を思い出し、寂しさが募る。 私も彼らと同じようにこの格好で体を鍛えることができたら…ルートヴィッヒは もっと私のことを意識してくれるでしょうか。 しかし2人のようにハードなメニューをこなすことは現実的に考えると自分には とても無理なことだ。 せめて格好だけでも真似してみましょう。 私は手に持っているルートヴィッヒのタンクトップを着てみることにする。 早速服を脱いで着るといつもしっかり着込んでいるせいか、胸元や腕がスースー して何だか心許ない。 そして、いつもルートヴィッヒの鍛えられた体を自然なフォルムで包んでいるそ れは予想以上に自分には大きい。 さらに残念なことに鏡で見た自分の姿はとても頼りないものだった。 そうですよね、ルートヴィッヒと私ではサイズが違いすぎます。 そこでようやく彼の服を無断で着ているという事実に思い至る。 「…っ!?」 鏡に映る自分の顔が一気に赤くなる。 心情は嬉しい気持ちと無断でこんなことをしているという罪悪感が入り交じった 複雑なものへと変わる。 急いで服を脱ごうと手を伸ばす。それと同時に部屋の扉が開いた。 「ローデリヒ、少しいいか?」 そのまま硬直した私をルートヴィッヒは驚いたように見る、次いでその顔は先ほ どの私に負けないほど赤く変った。 「ローデリヒ、その…どうして俺のタンクトップを着ているんだ?」 私はその時軽いパニックに陥っていた。 「これは、少し運動しようと思いまして。いつもの服装だと…その、暑いでしょ う。ですから丁度良いところに涼しそうな服を見つけたので、着てみたのです。 」 我ながら苦しい言い訳だが、他に何も思い付かず頭に浮かんだ言葉をそのまま声 に出す。 「そうか。」 ルートヴィッヒは別段気にする様子もなく言葉をそのまま受け取ったようだ。他 にも何か言いたそうにしている。 もしかして軽蔑されてしまったのでしょうか。 そのことがショックで居たたまれない。ルートヴィヒが何かを話そうと口を開く 。掛けられる言葉が怖くて私は慌てて部屋を出ようと動いた。 「少し運動してきます!」 そのままルートヴィッヒの横を走って通り過ぎようとしたが強い力で腕を捕まれ る。 「!?」 気付けば彼の腕の中に捕らえられていた。 「駄目だ。ローデリヒ。」 いっそう強く抱きしめられる。 「その格好で外に出ないでくれ。」 その言葉に恐る恐る訪ね返す。 「そんなにおかしいですか?」 どうやらルートヴィッヒも私の言葉が意外だったようで目を丸くしている。 「そうじゃない。その…そんなに無防備な姿のお前を他の誰かに見せたくないん だ。」 よく見るとまだ顔の赤いルートヴィッヒを見て、軽蔑された訳では無いというこ とが判り安堵する。 恐らく無意識に発せられたであろうルートヴィッヒの言葉に再び私の顔が赤くな る。 「…それでは貴方の側にいられないではありませんか。」 「俺の側に?」 思わず口から出た言葉を繰り返され、言葉につまる。 「ローデリヒ、もしかして昨日訓練を見ていたのか?」 「庭でしていたのですから、当然です。」 目の前のルートヴィッヒの顔が優しくなる。 「これ以上俺を本気にさせないでくれ。」 そう言って一つ優しいキスを落とされた。
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